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「オルギン県小型畜産増産計画」完成式典
2009年10月28日

10月28日、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の一環として実施された「オルギン県小型畜産増産計画」の完成式典が行われました。

この計画はオルギン県における非国営農業生産セクターである農業共同生産基礎組織(UBPC)の畜産施設改善を目的としており、ドイツに本部を置く国際NGO、「ドイツ農業運動」に対し、日本国政府より59,431ユーロを供与し実施されたものです。供与資金は灌漑設備設置及び水汲み上げ用風車の設置並びに飼育舎設置等に充てられました。
同県が位置するキューバ東部地域はこの10年間干魃の被害に遭っており、計画実施対象である9組織は干魃の影響から飼育している乳牛の頭数及び搾乳量が低下する問題を抱えていました。従来牛の飼育には相当量の水を必要とするのですが、干魃対策の観点から牛と比較して飼育に水を余り必要としない小型畜産(山羊や羊等)への家畜種類の変更を行うため当計画が実施されました。一般的にUBPCで生産された農畜産物は公社に納められますが、本計画対象UBPCは自由市場での販売も認められています。本計画により公社に納めた後の余剰分を自由市場で販売することによって組合員の収入が増加すると共に労働者に対するインセンティブも働くようになりました。なお、本計画による裨益者は組合員1,176名及びその家族5,835名に及びました。

10月28日にオルギン県UBPC「カンディド・グラス」で行われた完成式典で川真田一穂公使は挨拶を行い、その中で「本年は日本とキューバが外交関係を樹立して80周年の記念すべき年にあたりますが、この記念すべき年に本プロジェクトの完成式を迎えることは意義深いものです。関係者の方々に対しては供与物品を適切に管理・運用し、長期間使用していただくことを期待します。」と述べました。

キューバ側からは謝辞としてキューバ畜産協会オルギン県事務所長であるラファエル・ドミンゲス氏が「日本国政府の援助により、310頭の山羊及び2,248頭の羊が飼育出来るようになり、来年には更なる増産が期待されます。また講習会を実施したことによって組合員がより適切な技能と知識を習得することが出来、女性組合員数も増えました。」と挨拶されました。 引き続いて本計画が実施されたUBPC「カンディド・グラス」の代表が謝辞として、「本計画に関与した在キューバ日本国大使館、国際NGOドイツ農業運動、キューバ畜産協会及びキューバ政府関係者のみなさまに感謝したいと思います。本計画のお陰で組織の生産力が向上し、国民に供給すべき乳及び肉を増産することが出来るようになりました。」と挨拶されました。

式典には大使館員のほか、キューバ地方政府関係者、そして本計画に寄与したキューバ・ローカルNGOや被供与団体である「ドイツ農業運動」の責任者が出席しました。28日当日はキューバ革命で活躍したカミロ・シエンフエゴス氏が飛行機事故で行方不明になってから50周年にあたることから、同国で恒例となっている哀悼行事である水辺への献花を参加者と共に行い式を締めくくりました。
在キューバ日本国大使館
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