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経済協力

対キューバ共和国 国別援助方針

2014年4月

1. 援助の意義
カリブ地域で最大の国土と人口を持つキューバは、1959年のキューバ革命によって樹立した政権が現在まで続いている社会主義国家であり、ニッケル等の豊富な天然資源や識字率の高い人的資源を有し、今後経済成長を遂げる潜在性がある。また、中南米・カリブ地域の中でも医療水準が高く、教師や医療関係者の派遣等を通じて、中南米やアフリカの開発途上国を中心に大きな影響力を持つ。 一方、キューバは、現在も続く米国の経済封鎖等により、深刻な物や資金の不足に直面しており、インフラの老朽化、廃棄物等による環境汚染、低い食料自給率(現在の食料自給率は20%から30%と言われている)等、多くの開発課題を抱えている。特に近年老朽化・不足がちな医療機器の整備、エネルギー源の多角化に向けた再生可能エネルギー分野の開発が喫緊の課題となっている。 このためキューバは、ニッケル等の一次産品に限られた輸出品を多様化するとともに、国内産業の効率化・多角化、外国投資の拡大を進めようとしている。また、近年は、保健医療分野、再生可能エネルギー分野等の新技術導入に力を注いでいる。さらに、国際食料価格の高騰を受け、食料増産・生産力向上を通じた自給率向上にも取り組んでいる。 キューバが直面する開発課題に効果的に取り組むことができるよう、引き続き経済協力を実施することは、同国の抱える問題の解決を後押しとなることに加え、同国への進出を考える日系企業への支援につながることからも意義がある。

2. 援助の基本方針(大目標):持続可能な開発への支援
我が国がこれまでキューバに対して「食料増産」と「環境保全」を中心に支援を行ってきた実績を踏まえつつ、今後のより包括的な取組みのために、「農業開発」及び「持続可能な社会・経済開発」の分野を中心に支援していく。

3. 重点分野(中目標)
(1)キューバの優先課題である食料自給率の向上のために、これまで我が国が支援の中心としてきた米の増産等、農業を通じた食料増産の支援とともに、食料安全保障の観点から多様な食料の生産力向上が必要であることから、農業に限らず牧畜・水産を含む農業開発への支援を行う。

(2) 持続可能な社会・経済開発 持続的な発展のために、これまで我が国が支援を行ってきた環境保全・気候変動分野に加え、現在キューバの優先課題であり、かつ気候変動対策にも資する再生可能エネルギー分野、官民連携型の協力も期待できる保健医療分野及び社会経済基盤の整備等に関する支援を行う。

4. 留意事項
(1)キューバは世界銀行、国際通貨基金(IMF)ともに未加盟である点に留意して支援を実施する。
(2)保健医療等、日本の技術的優位性を活かすことができ、すでに日系企業が進出している分野を中心として、日本・キューバの互恵的な経済関係の強化を念頭に、官民連携による協力を推進していくことが重要である。(了)



対キューバ共和国 事業展開計画



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