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「日本・キューバ交流400周年記念行事に向けて」

2014年3月
昨年は,日本にとってうれしいニュースがたくさんありましたが,特に2020年東京オリンピック開催決定というニュースは私たち日本人全体を元気づけ,未来に対する明るい希望をもたらしてくれました。この決定の背景には,キューバからの温かいご支援が大きな力となったものであり,この機会を借りて改めてキューバの皆様に深く感謝申し上げます。
昨年はまた,日本から森元総理がキューバを訪問し,キューバからはヒメネスINDER長官やロドリゲス外務大臣が訪日するなど,重要な要人の交流も実現しました。両国の懸案であった短期公的債務問題も5月に解決し,今後の両国貿易の再活性化が期待される状況となりました。
このように,昨年1年間は両国関係の更なる発展のために良い流れが出来ました。そして,本年の日・キューバ交流400周年を迎えました。
1613年10月,仙台藩主伊達政宗の命を受け,支倉常長を大使とする支倉使節団は仙台領月ノ浦港を出港しました。その主な目的は,メキシコとの直接貿易の許可を得ることと,領内でのキリスト教の普及の許可を得ることでした。支倉一行は,スペイン国王とローマ教皇の同意と支援を得るべく,メキシコ(当時ヌエバ・エスパーニャ)経由でスペインのセビリアに向かいました。その途次,一行は,1614年7月23日にハバナのサン・クリストバル村に到着し,数日キューバに滞在しました。これが,日本人がキューバを訪問した歴史上初めての出来事となったのであります。
日・キューバ交流400周年の冒頭を飾る行事として,去る1月前半には,古屋防災大臣をはじめとする日・キューバ議員連盟一行がキューバを訪問し,ラウル・カストロ議長閣下やフィデル・カストロ前議長をはじめとするキューバ指導層と密度の高い会談を行うことが出来ました。
2月7日には,400周年を盛り上げていくため,キューバ側はエウセビオ・レアル・ハバナ歴史事務所長,日本側は本使を委員長とする400周年実行委員会が発足しました。キューバ政府の関係省庁・機関の代表者にも同委員会のメンバーに就任してもらっています。
2月末に開催した邦楽公演は,400周年行事の皮切りとなりましたが,夕闇迫るカリブ海をバックにしたモロ要塞(ハバナ国際図書展)での野外コンサート,また,ほぼ満員となった1,400人収容の劇場において,キューバの著名音楽グループともコラボレーションした公演は大成功を収めました。今後も,1年を通じて様々な400周年記念行事を開催します。その中でもやはりハイライトになるのは,7月5日から8日に計画している海上自衛隊練習艦隊による400周年記念寄港です。日本の海上自衛隊艦隊がキューバに寄港するのは歴史上初めてであるのみならず,寄港中,船上レセプション,艦船の一般公開,隊員楽隊による音楽演奏会,武道デモンストレーションなど,様々な文化交流行事が行われることとなっており,400周年記念行事のハイライトを飾る行事としてふさわしいものとなることを期待しております。
日本大使館としては,今年の400周年の機会に,両国民の相互理解と交流を促進し,日・キューバ友好の新たな時代を築きたいと考えておりますので,皆様のご支援とご協力を何卒よろしくお願いします。また,記念事業へのご参加と広報にもご協力いただけるようお願いします。
駐キューバ日本国大使
佐藤博史
